企業法務の資料室

愛知・名古屋で農業をサポートする弁護士です

1 はじめに

  みなさんこんにちは、愛知・名古屋で農業をサポートする弁護士の柘植です。

  私は子供の頃から20年近く、40坪ほどの家庭菜園で、少量ながら野菜や果物を育ててきました。

  土を耕し、種をまき、苗を育て、肥料や水を管理し、収穫を迎える。農家の方に比べれば、比較になら

 ないほど小さい規模ですが、作物を育てることの大変さやまたその大切さを学んできました。

 

2 農業を取り巻く環境

  農林水産省の報告(「荒廃農地の現状と対策」令和3年7月、「2020年農林業センサス」等)によれば、

 耕作放棄地は年々増加し、令和2年には15,100haにまで達しています。また、農業の担い手である農業経

 営体は年々減少し、令和2年には5年前と比べて約22%も減少しています。

  他方で、農業という産業が、人間の生活そのものを支える基盤であって、産業として必要不可欠である

 ことはいうまでもありません。

 

3 「農業 × スタートアップ」の隆盛                    

  このような社会情勢のなか、農業の担い手不足を補うような技術の革新や利用が、現在急速に進んで

 います。例えば、ドローンを活用した作物の生育予測や農薬散布、自動での野菜収穫ロボットの開発、

 流通プラットフォームの創設と拡大、技術の洗練された植物工場の拡大などです。

  こうした先端技術を基礎に、あるいは新たなネットワークシステムを利用して、農業における生産、

 加工、流通のプロセス全体を支えるようなスタートアップ企業が、現在増えています。

 

4 弊所の情報発信

  スタートアップ企業にとっては、どのような種類の会社を作ればいいのか、どのような手続で会社を

 作ればいいのか、農業分野のスタートアップの場合に特別な手続はあるのか、どんな業法に気を付けれ

 ばいいのかなど、生じる疑問は多く、留意しなければならない点が多々あります。

  本連載では、こうしたスタートアップ企業が抱えやすい悩みを解消する契機としていただけるよう、

 スタートアップに関する法務(第1集)、農業法人の経営に関する法務(第2集)、農業法人の事業承継

 (第3集)という大きな3つの分野について、週に1回程度、情報を発信していきたいと思います。

 (文責:柘植智甫)                                                                                      

 

             

   *本連載文書は一般的な情報提供のために掲載するものであり、特定の方への法的アドバイスを目的とするもの

    ではありません。また、本連載は公開日時点での内容を基に執筆されています。

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